気象予報士 受験体験記


気象予報士試験に合格しましたので、忘れないうちに受験日記を書いておきます。

気象予報士試験の合格に際し、藤田真司の気象予報士塾の藤田先生に大変お世話になりました。
ありがとうございました。


この試験・資格について

 気象業務法からまとめてみると、
 気象等の予報業務を行う事業者は、事業所ごとに気象予報士をおく必要があり、
 当該予報業務のうち現象の予想については、気象予報士に行わせなければならない。
 とあります。

試験時期

  今のところ年2回、1月と8月に実施されています。
 (試験間隔が均等ではありません。6ヶ月おきでなくて、5ヶ月、7ヶ月と間隔が不均等です。)

受験歴
 
午前一般午前専門午後実技
22年度1回×
22年度2回免除×
23年度1回免除×
23年度2回免除×
24年度1回免除免除×
24年度2回免除

 午前試験は科目合格すると、1年間(つまり試験2回分)は試験免除となります。

問題について

 午前の学科試験(一般知識・専門知識)は、マークシート形式です。(60分×2)
 午後の実技試験は、記述式です。(75分×2)

 実技試験といっても、黒板に図を描きながら天気の解説をするわけではありません。
 多くの図(地上天気図、高層天気図、雨量図、気象衛星画像、時系列図、解析図 他)を見ながら、
 等圧線を描画せよ。
 強い風が吹く要因を25字程度で述べよ。
 激しい雨が降った要因を25字程度で述べよ。
 密度を求めよ。
 根拠を60字程度で述べよ。
 前線通過の時間帯を答えよ。
 発表が予想される注意報を答えよ。
 のような問題がが出題されます。
 過去3年分の問題は気象業務支援センターのホームページに記載されています。

 気象業務法によると
 第二十四条の二 2  試験は、気象予報士の業務に必要な知識及び技能について行う。
 と書かれています。さらに、
 気象業務法施行規則によると
 第十四条  試験は、学科試験及び実技試験とし、毎年少なくとも一回行う。
 第十五条  試験は、別表に掲げる科目について筆記の方法で行う。
 と書かれています。別表の
  学科試験の科目
  ・予報業務に関する一般知識(大気の構造、大気の熱力学、降水過程、大気における放射、大気の力学
   気象現象、気候の変動、気象業務法その他の気象業務に関する法規)
  ・予報業務に関する専門知識(観測の成果の利用、数値予報、短期予報・中期予報、長期予報、局地予報
   短時間予報、気象災害、予想の精度の評価、気象の予想の応用
  実技試験の科目
  ・気象概況及びその変動の把握
  ・局地的な気象の予報
  ・台風等緊急時における対応
 が試験範囲となります。

使用した参考書等

 放送大学「身近な気象学」テキストおよび放送
 技術評論社「気象予報士かんたん合格テキスト(学科・一般知識編)」
 技術評論社「気象予報士かんたん合格テキスト(学科・専門知識編)」
 技術評論社「気象予報士かんたん合格ノート」
 技術評論社「気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」
 過去問題約10年分(気象業務支援センター(ダウンロードまたは書籍)、東京堂出版、成山堂)
 通信講座「藤田真司の気象予報士塾」

買ったけど、あまり使用しなかった参考書等

 東京大学出版会「一般気象学」
 オーム社「気象予報士試験速習テキスト実技編」

受験人数について

 気象業務支援センターのホームページによると、
 私が受験した平成24年度第2回試験は、
 受験者3711名 合格者150名 合格率4.0%です。

受験のきっかけおよび勉強方法等について

(小学生の頃)
 理科大好きなお子様でしたので、気象の図鑑等も大好きでよく読んでいましたし、気象通報のラジオを聞きながら
 天気図を書いていたころもありました。

(約4年前)
 趣味で通っている放送大学で「身近な気象学」という放送授業が新設されたので受講してみました。
 気象学の基礎をわかりやすく教えて頂け、楽しい授業でした。
 雪の成長過程の実験、回転水槽の実験、重力流の実験、回転実験台の上でのキャッチボール、ラジオゾンデの
 の打ち上げとデータ観測状況など様々な実験を映像で見ることができ、気象学の基礎の理解を深めることがで
 きたと思います。
 放送大学の身近な気象学の案内は ここです。
 放送大学の授業受講をきっかけに気象に再び興味を持ち、気象予報士を受験してみることにしてみました。

(22年から23年試験までの試験対策状況)
 試験前約1ヶ月くらい前から、一般知識と専門知識は、「気象予報士かんたん合格テキスト」を読み、実技
 は「気象予報士試験速習テキスト」を一部読み(3分の1位しか読めていない状況)、過去問演習を若干しました。
 一般知識と専門知識は合格することもあるのですが、実技は試験時間内に問題を解き終えられない状態でした。

(24年第1回試験対策)
 試験前約1ヶ月くらい前から、「気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」を使用して問題演習を
 を行いました。記述問題で得点するコツがわかりやすく書かれており、基礎力不足も実感させられるテキスト
 でした。得点することは、キーワードを適切に入れる必要があり、問題に正解することは非常に難しいこと
 を知りました。
 試験までに「気象予報士かんたん合格テキスト(実技編)」は半分くらいの量しかこなせず、前回よりはまし
 なものの実技試験は時間が足りない状況でした。

(24年第2回試験対策)
 基礎力および解答作成能力が明らかに不足しているので、独学の限界を感じ、実技試験対策の通信教育受講を
 検討してみました。
 受講候補は2つ。
 ・藤田真司の気象予報士塾(DVD、過去問の通信添削)(受講料6万円)
 ・ハレックスブレイン社の気象予報士通信講座(通信添削)(受講料50400円)
 を候補としました。受講料はほぼ同じなのですが、1年以内に合格したら半額キャッシュバックのある
 「藤田真司の気象予報士塾」を受講してみることにしました。

 藤田真司の気象予報士塾は、1枚2時間のDVD20枚と、気象予報士過去問題の通信添削から構成されます。
 DVD講座の前半は実技試験に必要な知識の解説、後半は過去問題の解説となっています。
 24年10月から受講を開始し、DVDが毎週送られてきますので、自分のペースで学習ができるはずでしたが、
 見てないDVDがたまるたまる(笑)。
 12月に入り、本格的に勉強を開始しました。

 DVD講座では、覚えるべきこと、試験に出やすいところ、カン違いしやすいところ、間違えやすいところ
 をわかりやすく教えて頂きました。
 基礎をDVDで勉強して、問題演習を行い、DVDで解説を聞いて、自己採点を行い、理解を深めました。
 平日は、スターバックスやマクドナルドやファミレスで2時間程度
 休日は、図書館(放送大学・市立・県立)で開館時から閉館時まで
 年末年始は、図書館がお休みなので、ネットカフェやファミレス、マクドナルド、モスバーガー、スターバックスなど
 で1日中お勉強していました。
 飲食店は長時間いると迷惑なので、飲食店でのお勉強は、仕事前の朝や、夜9時以降のみとしています。(除年末年始)

 DVDの講座は、ノートパソコンに複写すると、ノートパソコンを持参することで飲食店でも見ることができます。
 パソコンで再生すると、再生ソフトによっては、早めに再生することもできるので、2時間分のDVDの講座を
 1時間から1時間30分程度で再生させて授業を聞いていました。
 DVDをMP3形式に変換し、MP3プレーヤーに入れておくと、電車の中等で音声だけですが聞くこともできます
 年末年始の頃にはたまったDVDは消化され、DVDの問題演習にない回の過去問題演習にも取り組み始め、
 試験までには、過去10年の20回40問の過去問題を1周することができました。

 過去問演習の問題1問あたり、解答するのに40分〜120分(試験では75分)、見直しに20〜60分、藤田塾の解説DVDがある
 回はDVDの視聴に40分〜90分かかるので、問題1問あたり1時間〜3時間程度必要でした。

 10年前の問題は、今よりも量がずいぶん少ないので、解答時間も、見直しも少ない時間で可能です。この問題
 の量だと、解答するのに下書きをかいたり、キーワードを吟味したりできるのですが、最近の問題は
 10年以上前とは試験問題の量が全然違います。過去問演習を古いほうにさかのぼりながら進めていくと、
 昔の問題は早く解答できます。これは自分の実力があがったわけでなく、単に問題量が少ないです。

 少しは基礎力がついたと思うのですが、実技試験で正答をえるにはまだまだ厳しく、
 やっと、過去問題の通信添削に出してもいいかなと思う状況になりました。
 合格レベルに達するには、10年分の問題を3周する必要があるという藤田先生の言葉を思い出し、
 これからは通信添削を大量に送ろうと思いながらの、24年第2回試験の受験となりました。

(24年第2回試験)

 はじめは、単位の有無よし、と慎重にチェックしながら問題を解答していましたが、だんだんと時間が
 足りなくなって、大急ぎで解答していました。
 気象予報士の問題は、多くの図を読み取って、理由を述べたり、説明したり、計算したりなど、
 時間があればとても楽しい試験です。情報処理の試験とはわけが違います。しかし、時間なさすぎです。
 
 ノットとkmと海里の混在多く計算面倒(1m/s=3.6km/h 1ノット=0.514m/s 1海里=1852m)です。
 ただでさえ時間ない上、時間のかかる作図問題が2問も入っておりさらに時間が足りなくなります。
 状態方程式を用いて、大気の密度を求める問題。地上気圧を1010hPa 気温を280K 気体定数を287J/Kkgのと
 きの空気の密度は?
 高校化学を学んだ者にとって、 PV=nRT  R=0.082atm.l/mol.k
 ならよく知ってるんだけど、密度を使ってどう求めるんだっけ?あとまわし
 他の問題を大急ぎで解いだ後の残り5分、式を変形して、
 PV=nRT n=w/Mだから、P=wRT/MV w/V=ρ(密度)だから、 P=ρRT/M R/M(R:atm.l/molK)をR(J/mol.k)につけ
 かえて P=ρRT やっとできた。本来覚えておくべき公式です。 
 さらに変形してρ=P/RT P=1010*100 R=287 T=280 を代入して、ρ=1010*100/(287*280)=1.25kg/m3
 公式を覚えていないから時間が足りなくなります。高校化学・物理の知識を駆使してどうにか回答。さらにその答え
 を使ってさらに2問回答したのですが、(そもそも電卓なしで試験中に大急ぎで計算するのかなりきついです。)
 あとで解答速報等を見てみると、計算ミスで、0.01違ってる。答えは1.25でなくて1.26kg/m3だったらしい。あらら。
 この答えを使った2問も連鎖的に誤り。せっかくラスト5分で解いだのに...ここだけで約10点の失点です。

 実技2の試験も相変わらず問題が多く時間が足りません。
 台風の前線の問題なんて試験では初めて?見る概念もありますが、多くの問題は基礎的なものや、資料から
 判別できるもの、計算できるものが多いです。しかし、量が多すぎで、記述式問題に適切なキーワードを入れられ
 たかどうか不明です。
 ラスト2分。最後の問題。
 気圧配置、地上風時系列図、高層風時系列図、地形図を参考にして、岡山県奈義で強い風が吹いた要因を考察し、
 35字程度で述べよ。
 時間がなく考えてる暇はありません。しかし、奈義でひらめきました。自転車旅行が趣味であり、
 日本全国1713市町村を自転車で走ったことのある「かずあきくん」です(残り6町村)。奈義は北側に山があり、
 群馬の赤城山みたいに「すそ」の広い斜面が広がっていたのを思い出しました。群馬の赤城山では「おろし」によって
 局地風が発生することで知られています。おろしが発生しそうな気がします。「台風の影響で北風が強い上、山
 と斜面の影響でおろしが発生し、さらに強風となった。」と解答したところ。試験終了となりました。部分点は
 頂けたでしょうか。
 本来、日本3大局地風である「広戸風」は知っておくべきなのですけど、勉強不足でした。
 「広戸」と書いてあれば、きちんと勉強している人はわかるのでしょうけど、「奈義」ではきちんと勉強している
 人でもわからなかったかもしれません。台風が四国付近に位置するときに、岡山県奈義町広戸で吹きやすい局地風です。

 どうにか全問解答したものの、時間不足で、解答の精度はかなり悪く、趣旨の違う解答やケアレスミス多発してい
 るのだろうなと思いました。問題の量が非常に多く。慎重に考えて解答する暇はありません。今回の問題も「こん
 なに大量の問題、精度よくとけるか!」
 と思いました。
 記述式なので、解答の意味がおおむね通じていても、適切にキーワードを入れないと得点は得られないらしく、
 合格率が低く、難関?な試験といわれています。
 時間があったら、さまざまな気象の概念を楽しみながら、問題を解けるのですが、とにかく時間が
 ない試験です。
 先ほどの計算ミスさえなければ、少しは期待を持って合格発表の日を迎えられたんですけど...

 そこで迎えた合格発表の日
 藤田先生から「合格おめでとうございます!」のメール
 あれ、藤田先生に伝えた受験番号間違えたかな?と思い、帰宅すると、
 「気象予報士試験合格証明書」
 と書かれたはがきが届いていました。
 合格基準を見てみると、実技試験は例年70点位が合格基準(合格最低点)であることが多いのですが、
 今回は合格基準が65点と低めになっており、「こんなに大量の問題、精度よくとけるか!」でなく、
 「誰もできていない」試験だったのかもしれません。

 合格できた要因
 ・もともと気象に興味があり、楽しく勉強できたこと。
 ・放送大学の授業で、気象学の基礎を視覚で理解できたこと。
 ・これまでの自転車旅行のおかげで全国の地名と地形に詳しいこと。
 ・藤田塾のおかげで、実技試験に必要な知識と解答のコツを最小限の努力で得たこと。
 ・過去10年間の20回分(40問)の問題演習を行ったこと。

 気象予報士の勉強をすることで
 気象に関する知識が増えて、これまでと違った視点で天気を見ることができるようになったと思っています。
 気象予報士試験に合格しても、予報を行えるレベルに達してはいないと思っていますが、毎日、天気図と高層
 天気図をみながら、「寒冷渦の東側の正渦度移流域に、低気圧出た!」とか「バルジが明瞭だ。」とか「暖気
 移流と寒気移流が明瞭」とか「低気圧が発達しそう」だとか、「このような理由で風が強そうだ」とか、身近
 な天気をさらに楽しくみることができるようになったのが、気象予報士を受験してよかったことだと思います。


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